避雷針の接地抵抗とは

避雷針の施工やメンテナンスの検討中に、接地抵抗が何か気になった方もいるでしょう。
避雷針の接地抵抗の数値は、大地へ電流が流れやすいか否かを表すので、厳しい基準が設けられています。
接地抵抗の定義の他に、工事で求められること、設置義務のある施設などを詳しく知りたい方は、この記事を参考にしてみてください。

避雷針の接地抵抗とは?

避雷針の旧JIS規格では、避雷針の設置に重要な基準の1つが、接地抵抗です。

接地抵抗について
電流の流れにくさを意味するのが接地抵抗です。

値が低いほど、大地に電流が流れやすく、感電や漏電による火災を防止できる可能性が高まります。

設置基準について
接地抵抗工事は、以下の基準を満たす必要があります。

【接地抵抗値と引き下げ導体の基準】

 

接地抵抗値

単独50Ω以下

総合10Ω以下

引き下げ導体の太さ

銅16㎟以上

アルミ25㎟以上

鉄50㎟以上

 

引き下げ導体1ヶ所につき、1ヶ所以上の接地抵抗工事が必要です。

1ヶ所のみであれば、接地抵抗値は10Ω以下でなければなりません。

接地抵抗箇所が複数の場合、以下の計算で求められる総合接地抵抗値が10Ω以下であれば、1ヶ所あたりの値は10Ω以上でも認められます。

ただし、単独でも50Ω以下にすることが必要です。

 

【総合接地抵抗値の計算式】

 

1/(1/単独接地抵抗値1+1/単独接地抵抗値2…)

 

たとえば、1ヶ所25Ωで接地抵抗工事を4ヶ所した時の総合接地抵抗値は、以下のように計算できます。

 

1/(1/25+1/25+1/25+1/25)=6.25Ω

 

引き下げ導体は、雷の電流を大地に流すのに必要な部材で、保護対象物の先端から接地極まで垂直に配置されます。

以下に該当すると、工事が義務付けられます。

ただし、単独でも50Ω以下にすることが必要です。

 

【接地抵抗工事の対象】

高さ20m以上の建築物

指定数量の倍数が10以上の危険物製造所

火薬庫

 

ただし、20m未満の建築物でも、煙突・アンテナがある、周囲に高い建物がない、山岳地帯や雷の多い地域に建っているなど、工事が推奨されるケースもあります。

接地抵抗は雷による危険を避けるのに欠かせない

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、避雷針の接地抵抗の重要性を多少ご理解いただけたでしょう。

避雷針と大地との抵抗を表す接地抵抗は、数値が小さいほど電流が大地に流れやすいことを意味します。

接地抵抗値をはじめ、避雷針には満たさなければならない基準が多くあるので、取り付けには電気工事士の資格が必要です。

避雷針の設置・メンテナンスなどで気になることは、専門業者にご相談ください。

落雷対策・避雷針工事でお悩みの方は避雷針工事.netへご相談ください。

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