雷の電圧の威力とリスク

ピカッと光った後、ゴロゴロと凄まじい音を立てて空一杯に轟く雷。
建物の中にいても怖くて苦手、という方も少なくありません。
では実際、雷のエネルギーとはどれほどのものなのでしょうか。
本記事では、雷の電圧がどれくらいあるのか、またどれくらい危険なのかについて分かりやすく解説します。

雷の電圧は?

雷の電圧は、およそ「1億ボルト」と言われています。
雲の中で静電気が発生した結果生じる現象ですが、その威力は一般家庭の約100万倍に相当します。

1億ボルトって実際どれくらい?

「1億ボルト」と聞いても具体的にそのパワーをイメージしにくいのではないでしょうか。
そこで、1億ボルトの電圧について、を日常生活の例を交えて解説していきます。

 

電球

雷のパワーを電球に置き換えると、100Wの電球90億個分に相当します。
停電や節電などの心配は皆無になるほどの威力ですが、現時点では雷のエネルギーを貯蓄することができないのが残念です。

 

日常生活

雷の大きさによっても異なりますが、そのパワーは10kWh~500kWhと言われています。
私たちが日常生活で1日に使用する電力の約50倍なので、そのエネルギーを全て利用することができれば1回の雷で50日間まかなえる計算になります。

落雷時の電圧は?

雷の電圧が約1億ボルトなのに対し、落雷時の電圧は強ければ10億ボルトにもなると言われています。
通常の雷の10倍の電圧とそれに伴う電流を考えれば、落雷がどれほど危険なものかがお分かりいただけると思います。

「木の近くは危険」の真実

「雷が鳴ったら木から離れた方がいい」とよく耳にしますが、実はこれには「直接雷を受ける」ことを避けるだけでなく大きな意味があります。
雷が人間より背の高い木に落雷しやすいのは事実ですが、人間と木を比べると人間の方が電気を通しやすい性質を持っています。

そのため、木の近くにいると落雷の電流がそのまま人間に流れてしまうのです。
そういった状況を避けるためにも、屋外で雷が鳴り始めたら最低でも木から2m以上離れ、低い姿勢を取りましょう。

雷の落ちやすい場所

では、雷はどのようなところに落ちやすいのでしょうか。 雷が直撃しなくても、周囲に落ちた雷が飛んでくるケースもあります。 落雷時に、雷の被害を受けるリスクが高い場所のポイントや、具体例を確認していきましょう。

 

 

雷が落ちやすい環境・条件

雷はあらゆるところに落ちる可能性があります。 中でも、以下の条件に当てはまる環境や物体を好む性質があるため、注意が必要です。

 

●背の高いものや尖ったものがある

雷は、雲の中で生じる静電気によって起こります。 雲の内部では、上昇下降を繰り返す氷の粒やひょう・あられが、摩擦により電荷を帯びます。
その際、雲の上部にはプラスの電荷が、下部にはマイナスの電荷が集まるのが一般的です。

雲が電荷を蓄えきれず放電する際、雲の下部のマイナス電荷は、地上のプラス電荷に向かって進みます。
地上では、高いところにプラスの電荷が集まっているため、雷が落下しやすいのです。

また、雷は一直線に進むのではなく、短い放電を繰り返しながら、電気抵抗のある空気の中を無理やりかき分けて進みます。
雷がジグザグして見えるのは、これが理由です。
空気中のランダムな揺れに影響されるため、地表に尖ったものがある際は、雷は先端に導かれ方向を定めやすくなります。

よって、平地よりも尖ったものがある所では、落雷の可能性が高まります。 雷対策の一つである避雷針は、このメカニズムを利用して作られた装置です。
あえて建物上の尖った部分に雷を誘導し、落雷した際の接地までの安全な通り道を作ります。

●電気を通しやすい

雷は、電気を通しやすいところに落ちる傾向があるとも考えられています。
ゴルフクラブや釣竿、傘などを手に持ち上に掲げる行為は、雷を誘引し電気を通すため、非常に危険です。
ただし、アクセサリーなどの金属製品を身につけることは、一定の電流減退効果があることも明らかになっているため、電気を通す物が必ずしも危険とは限りません。
反対に、ゴム製品などの不導体が安全と考えるのも誤りです。

 

 

注意すべき場所

では具体的に、雷が発生した時に被害を受けやすい場所、避けるべき場所を紹介します。

 

●広く開けたところ

周囲に建物がなく広く開けた場所は、人間が一番背の高い存在となり、雷を受ける可能性があります。
ゴルフ場や学校のグラウンド、公園、畑、海上やプール、砂浜、河川敷、堤防などは注意すべきです。 特に、傘やゴルフクラブ、釣竿などの細長く尖った物は、手に持たずに避難しましょう。

●周囲より高いところ

山頂や山の尾根、建物の屋上など、物理的に背の高い場所は、周囲よりも落雷のリスクが高まります。 建物内に避難するか、くぼみのある場所を探し、姿勢を低くして待ちましょう。

●樹木の下・中

雷が鳴っている時は、樹木の下で雨宿りをしてはいけません。 樹木に落雷すると、落ちた雷が樹木を離れ、近くの人や物を伝って地面に逃げる「側撃雷」が発生する可能性があるためです。これは、人体が樹木よりも電気を通しやすい性質を持っていることが関係しています。側撃雷も人命に関わるリスクがあるため、注意が必要です。 雷が鳴っているときは、樹木の近くを離れて建物内に避難するか、やむを得ず樹木が側にある時は、枝や幹から3~4m距離をとりましょう。

●建物の軒下

側撃雷のリスクは樹木付近だけではありません。 雷の電流は物体の表面を流れます。 そのため、屋根や避雷針に直撃した雷が、建物の壁や軒先を伝って軒下に飛んでくることも考えられます。 短時間であっても、建物の軒下で雨宿りをするのは避け、建物内に入って雷がおさまるのを待ちましょう。

雷の電圧は想像していた以上に大きい

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、雷の電圧についてご理解いただけたと思います。
1回で電球90億個、日常生活50日分がまかなえるほど雷のエネルギーは大きいもの。
もし近くで雷が鳴った際は、速やかに避難や対処しましょう。

 

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