電圧小さくても感電してしまう理由とは?
私たちの生活の中で、必要不可欠なものの1つが「電気」です。
一般的な家電は100Vや240Vと電圧の低いものがほとんどですが、流れる電流が強いと感電してしまう恐れがあります。
では、どのくらいの電気が流れると人は感電してしまうのでしょうか。
本記事では、感電とその危険度について分かりやすく解説します。
そもそも「感電」とはどんな状態?
感電というと「ヤケドを負う」、場合によっては「命に関わる」などと非常に危険なものと思われがちです。
もちろん、漏電事故や落雷による被害を受ければそうなる可能性があります。
しかし一方で、私たちは普段からよく感電を経験しています。
車のドアに触れた瞬間パチッとなるのも、ニットを脱いだ時にパチパチと生地が張り付くのも「静電気」という感電の1つです。
つまり感電とは、
身体に電流が流れる現象の総称なのです。
感電の程度って何で決まるの?
落雷による感電は命に関わり、静電気なら一瞬だけ。
さて、この違いはどこにあるのでしょうか。
電流の強さ
感電の程度に最も影響するのが、電流の強さです。
身体に流れる電気の量によって危険度が異なり、1mAなら若干ピリピリと感じるレベルですが、10mAで痛みに耐えられず、30mAでは命の危険に関わります。
落雷が時に50万Aにもなることを考えれば、その威力がどれほどのものか想像していただけるでしょう。
電流が流れていた時間
たとえ電流の値が小さかったとしても、身体に流れる時間が長ければ、身体に影響が出るリスクは高くなります。
普通は、すぐに感電元から離れればいい、と考えますが、電流が20mA以上になると筋肉が痙攣してしまい、自分の意志で引き離すことができなくなります。
そのため、少しの電圧でも死に至ることがあるのです。
電流がどこに流れたか
感電した部位が、心臓に近いほど危険です。
流れた電流が心臓を通ると、心房細動や心停止が起きてリスクが高くなります。
足から感電するよりも、手から感電した方が死亡率が高くなるのはそのためです。
感電時によくあらわれる症状
人体に電流が流れると、感電の度合いにより身体に様々な影響が見られます。
火傷など目に見える外傷から、内臓にダメージが及び、時間差で症状が現れるケースまであります。
人体へのショックが大きくなるのは、おおよそ10mA以上の電流に触れた時です。
感電の主な症状の一つである皮膚の火傷は、電流が通る際に皮膚の電気抵抗が数kΩになり、熱を発するために起きます。
皮膚が厚いほど電気抵抗は高く、薄かったり濡れていたりするほど電気抵抗は低いです。
電気抵抗が高ければ、火傷の被害は局所的で済みますが、低いと内臓にまで損傷が及ぶ可能性もあります。
そのため、身体が濡れているまま電気に触れると、非常に危険です。
重度の火傷を負うと、皮膚の変色・変形・壊死に繋がることも少なくありません。
また、身体に電気が流れると、筋肉が激しく収縮し、痛みが生じたり動けなくなったりします。
電撃が大きいと、関節脱臼や骨折などを引き起こすほどの重い痙攣や麻痺のリスクも高いです。
さらに、筋肉の損傷範囲が広いと、手足の腫れ・血液供給阻害・腎臓をはじめとする内臓にまで被害が及ぶケースもあります。
他にも、電気が流れる部位によっては、神経・脳の障害・白内障などから不整脈・心臓麻痺にまで至るため、感電には用心しなくてはなりません。
感電した時の対処法
何らかのトラブルにより感電すると、電流の大きさによっては人命に関わる被害をもたらします。
そのため、自分が感電した時、または誰かが感電したのを目撃した時には、素早い対処が肝心です。
ここでは、感電時にとるべき具体的な行動を確認していきましょう。
自分が感電した場合
まずは、自分が感電した際の対処法です。
感電した時に意識があれば、短時間での致命傷のリスクは低いと考えられます。
また、電流値が小さいと、静電気のように身体にピリッと電流が流れる感覚があります。
電気に触れた部位が火傷していたり、傷を負っていたりする可能性があるため、自分の身体の状態を把握しましょう。
火傷の応急処置では、まずは服の上からでも水やアイスロンを火傷箇所に当てて冷やします。
火傷の深さは見た目だけでは分かりません。
自己判断で薬などを塗るのではなく、医療機関で症状を確認してもらい、適切な治療を受けましょう。
感電による症状が重い場合には、できる限り早く病院へ駆けつけ、血液検査やX線検査・心電図などで損傷の具合や身体の健康状態を診てもらいます。
皮膚の重い火傷や血液循環が悪いと判断されると、組織の壊死や神経麻痺を防ぐため、電圧を逃がすための特別な治療・手術が行われます。
他人が感電した場合
次に、他人が感電しているのを目撃した時です。
まずは負傷者の身体を電源から引き離します。
ただし、負傷者の身体をそのまま直接触ってしまうと、救助者も連鎖的に感電する恐れがあります。
むやみに人体に触れる前に、電子機器の電源を切ったり、コンセントを抜いたり、家の中であればブレーカーを落としたりしましょう。
救助者も感電しないよう注意を払いながら、負傷者を安全な場所へと避難させたら、身体の状態をチェックします。
意識があるかを確認し、ない場合にはすぐに救急車を呼びます。 救急車を待つ間は、心肺蘇生法を行いましょう。
意識がある場合でも、救急相談センターに電話し、状況を伝えながら今後の動きを相談してください。
感電による被害は、軽度の外傷でない限り、体内への影響も考えられるため、医療機関で診てもらうのが賢明です。
電気には常に危険性も潜んでいる
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、人が感電する電流の大きさについてご理解いただけたと思います。
電流の強さや流れた時間によって致死率が異なりますが、感電した時点で身体に何らかの影響が出ることも多いため、電化製品などを扱う際には十分に気をつけましょう。
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