雷に打たれる確率と雷撃パターン

落雷は珍しい現象ではありませんが、まれにその雷が人間に落ちることもあるといいます。
では一体、どれくらいの確率で人間が雷に打たれるのでしょうか。
本記事では人体へ落雷する確率に加え、一般的に「雷に打たれる」と言われる状態についてパターン別にご紹介します。

雷が人に直撃する可能性は?

そもそも世界中では、毎秒100回以上の落雷が生じています。
年間でカウントすると3億回を超え、そう考えると人体に雷が落ちても不思議はありませんが、人間が雷に打たれることはまずありません。
正確なデータはないものの、その確率は隕石の落下で死亡する確率よりもはるかに低く、100万分の1などと言われています。

雷に打たれる「雷撃」のパターン5つ

雷に直接打たれること以外にも、「雷に打たれる」と表現される雷撃パターンがあります。

 

直撃

その名の通り、直接落雷を受けることを言います。
大きな電流が一気に身体に流れるため非常に危険で、死亡率は70~80%とされています。

 

側撃

落雷を受けた木や人から、周囲の人へ電流が飛び移る現象です。
強く感電した状態で、特に木の下で雨宿りしている際に起こりやすく、死亡原因としては直撃に次いで2位となっています。

 

歩幅電圧

落雷の電流が地面を伝い、人間の身体に流れてしまう状態です。
たとえ落雷のあった場所から近くても、立っている場合は足にピリッと刺激を感じる程度でほとんどが軽症です。
座る、腹ばいになる、など地面との接地面が増えるほど痛みやしびれが強くなり、やけどの可能性や心臓への負担も大きくなります。

 

分岐放電

大気中で電流が枝分かれしてしまい、同時に複数の場所に落雷する現象です。
見た目では一瞬の出来事ですが、一度に複数の死傷者を出す可能性があります。

 

爆風

落雷に伴う爆風によって損傷を受けるケースもあります。
最も多いのが鼓膜穿孔で、それ以外は比較的軽症で済むのがほとんどです。

ただし爆風と同時に身体に電流が流れた場合、さまざまな条件で爆風が増強する可能性があり、骨折や内臓破裂を起こすなど、最悪の場合は死に至るケースもあるため注意が必要です。

雷と雨の関係性

ここでは、雷と雨の積乱雲との関係性や、それぞれの発生メカニズムを見ていきましょう。

 

積乱雲の存在

雷と雨は、どちらも積乱雲の存在により発生する気象現象です。
積乱雲とは、著しい上昇気流により鉛直方向に発達した、巨大な雲のことです。 積乱雲の直径は数km〜数十km、高さは10km以上で成層圏を超えるケースもあります。
上下方向に激しく運動するため、雨・風・雷などを含んで天気を変動させる、大規模な雲です。

積乱雲は、大気の状態が不安定な時に発生する傾向にあります。
大気の状態が不安定とは、大気の熱対流が起こりやすく、上昇気流が生まれやすい状態です。
地表の空気は、常に一定量の水分を含みます。 陽光などにより温められた空気は上昇し、やがて上空で冷やされますが、その時に水蒸気が水滴や氷晶となって集まったものが積乱雲の正体です。

上昇するにつれ周囲の水蒸気を含み急成長する水滴や氷晶は、やがてその重さに耐えられなくなり、落下し始めます。
この時、落下する大きな氷晶と上昇する小さな氷晶がぶつかり合い、摩擦により静電気を発生させます。
結果、前者はマイナスの電荷、後者はプラスの電荷を帯び、雲は雷雲となるのです。
雷雲は上部がプラス電荷、下部がマイナス電荷の層をなし、ある一定まで帯電状態を保ちます。

しかし、次第に電荷を蓄えきれなくなると、雲内で放電し始め、地表への落雷に発達します。
発達した積乱雲は、短時間に激しい大雨をもたらします。
集中豪雨と呼ばれるように、わずか数分程度で河川が氾濫したり、土砂崩れを引き起こしたりと、災害が発生する危険性が高いです。

 

雨と雷のピーク

積乱雲の発達期では、雲の中は全て上昇流で、水滴や氷晶が次々と生成されています。

モコモコとした積雲が成長している段階で、この時点では雨は降りません。 次第に、雲の中で上昇流と下降流が混在するようになり、雷を伴った雨が降り始めます。
積乱雲の最盛期であり、15~30分程の雷雨が続きます。
雨のピークは落雷回数のピークの約5分後です。 落雷回数が多いほど雨量も多くなります。

また、鉛直方向に大きな積乱雲ほど、雷雨は激しくなると考えられます。
雨粒が蒸発することで冷やされた空気は重くなり、下降流が速度を増して雲全体に広がるようになると、積乱雲の衰退期です。

ただし、積乱雲が弱まり雷がおさまっても、雨は少し続きます。また、降水が続く限りは、雷の危険性もあるため注意しましょう。 ・人体に落雷する確率は低くても「雷撃」には要注意! 

雷の落ちやすい場所

雷はどのような場所に落ちやすいのでしょうか。 ここでは、落雷の危険性が高く、注意が必要な場所を紹介します。

 

高い場所

雷の発生メカニズムにより、雷雲下部のマイナス電荷は、地上のプラス電荷に向かって放電します。 地上では、より高い場所にプラス電荷が集まるため、高い場所は落雷の可能性が高いです。山頂や山の尾根、建物の屋上などは注意しましょう。

 

広く開けた場所

ゴルフ場やグラウンド、公園、畑、海、砂浜、河川敷、堤防など周りに高い建物がなく、広く開けた場所は、落雷のリスクがあります。 このような場所では、人間が1番背の高い存在になってしまい、雷を受けやすいです。 また、ゴルフクラブや傘、釣竿など、電気を通しやすく細長い物を高く上げる行為は、雷を誘引し危険なため止めましょう。

 

樹木の下

性質上、人間は樹木より電気を通しやすいです。 樹木に雷が直撃した場合、近くの人間や物体を介して、接地面に電流を逃がす可能性があります。この「側撃雷」は建物の軒下などでも起こりやすく、直撃雷と同様に人命に被害を及ぼします。雷が近い場合は、建物内に避難しましょう。

人体に落雷する確率は低くても「雷撃」には要注意!

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、人体に落雷する確率についてご理解いただけたと思います。
「落雷」とひとことで言ってもさまざまな形で被害を受けることがあるので、雷が鳴っている間は注意しましょう。

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